作業用オートモ 解説(その3)

ONOの電脳壁新聞で1位をいただきました。ありがとうございました。
前回はネットワークプロトコルの用語ばかりでわかりにくかったかもしれませんね。

さて、話は変わって。

10年くらい前、PC上のシミュレーションでロボット教示を行うのに従来は数百万円のバーチャルロボットシミュレータがメーカーから販売されていましたが非常に高機能だけど高価すぎて、「主にシステムのレイアウトと干渉チェックとタクトタイム計算だけで十分なのに」というユーザーとのギャップが大きいようでした。

そこで私が個人で開発したバーチャルロボットシミュレータ"PUMAN"をロボット学会誌で紹介いただいたときは結構な反響がありました。これは当時発表されたばかりの「Windows用ゲーム開発ライブラリ"DirectX"」を使った、メーカー品以上の高速でリアルタイムな3DCGレンダリングを実現し、かつフリーソフトだったことがその要因でした。

「ホビーやゲームの最新技術や感性で、従来技術とちがうアプローチで問題を解決できるかも」というのが、今回の「お手伝いロボットプロジェクト」と似ているんじゃないかと思いました。「お手伝いロボットプロジェクト」は、従来はテムザックや産総研早稲田大学などが行っていた大掛かりな実証実験を、ホビーレベルの技術からのアプローチでやってみようという試みですからね。


3年くらい前までちょこちょことバーチャルロボットシミュレータを開発(上の画像)していたのですが、このところバーチャルロボットよりリアルロボットの方に傾倒してしまい、しばらく休止状態です。

画像が小さくてあれなんですが、当時から「バーチャルロボットとリアルロボットのデータと操作系を共通化する」という計画があって、DirectXを利用したゲームコントローラ操作やネットワーク通信によるコマンド・レスポンスの送受信などの実験をやっていたおかげで、「お手伝いロボットプロジェクト」に必須なネットワーク経由で操作するシステムはわりとすんなり構築できたように思います。
「使えそうな技術は試して貯めておく」と、仕事にも遊びにも役に立ちます。