ジャパニーズホラー

「日経ものづくり」の特集で「正社員を減らしすぎるな」というものがありました。ちょっと興味があったので立ち読み。うろ覚えですが内容はだいたいこんな感じ。

「正社員を減らしすぎるな」(日経ものづくり)
昨今の日本のメーカにおいて、生産量の変動に柔軟に対応できるように大型受注や大量生産時は社外工を雇って対応し、少ないときは正社員だけで対応することで余剰人員を減らすというのが流行っています。余剰人員、つまりコストパフォーマンスが悪く転進しにくい40代以上の年輩社員のことで、早期退職を募るときに対象となるケースが多い。こういうときに使われる決まり文句は「会社の若返り」です。しかし、このように突然に抜けた人手を埋めるのに派遣社員を増やすことになる。そして、社外の人に働いてもらうにしても、マニュアルづくりや教育や監督する手間を考えるとかえって正社員の作業効率を低下させ生産性向上に至らない、逆に生産性を低下させるケースが多い。
そして「派遣社員がたくさんいるから正社員はもうとらなくていい」という風土ができてくると、いっこうに若手社員が増えにくくなり、結局、本当の若返りになっていない。若手と年輩社員の間で技術の伝承が十分できず、日本らしい職人気質や美徳が根付きにくくなっていく。さらに、若手社員同士の競争意識も育たない。

こんな記事を読んでると、リストラや福利厚生の見直しで利益を出しているような会社は、真綿でじりじりと自分の首をしめているのと同じじゃないかと思えてくる。そして漂う閉息感故に、いわゆる「デキル社員」ほど会社を去ってしまうと。そこらへんのホラー映画よりもよっぽど恐ろしいことです。