メリッサ・マーキュリー開発秘話

写真はメリッサ平行リンク足バージョン(コードネーム「マーキュリー」)の”設計試作版”の写真です。まず干渉検討などのために片足だけを製作し、改善のアイデア出しをして、スケッチにまとめたりしました。

今回はマーキュリーの開発の経緯を紹介したいと思います。

この企画は、11月の大阪のロボファイトORC部門で私のautomo 03(Sandan)が、低トルクのKRS-788HVで平行リンク足を組んだ大同大のスーパーSRCダイガックに3位決定戦で負けたことがトリガでした。

福岡に戻ると、だうとさんのダイガック動画を見た九州ロボット練習会のひろのっちさんとクラフトマンさんが、私以上に「ダイガックを倒さなきゃいけない!!」と燃えていました。そして「そのためにはまず相手の長所をとりいれることだ」。みんなでアイデアを出し、私も基本設計を描き始めました。

そして毎週水曜日の就業後にクラフトハウスに数名のコアメンバが集まって設計や作戦会議(別名:水曜会)を繰り返し、きゃのんさんの協力を得て一次設計試作。さらに製品化も視野にいれて吉村さんに量産向けの試作してもらい、スーパーディガーmk2とautomo 06(Wakka)用に提供いただきました。

スーパーディガーmk2は、平行リンク足に低トルクのKRS-4024HVを使うことで、SRC規格に収めつつ2.85kgを支えています。高トルクのKRS-4013HVサーボを腕部に持ってくることで、安定した下半身から強力なパンチを放ちJSRCに優勝しました。

automo 06(Wakka)は、平行リンク足に高トルクのKRS-4014HVを使うことで4kgの機体重量を少ないサーボ数で支えています。ロボゴング懇親会で観てもらいましたが、長い足でシャキシャキと安定して動いていたと思います。バトル用途に限らず、手先に重い把持部を取り付けたりネットワーク通信やセンサユニットを載せる、つまりペイロードを増やすのに効果があるでしょう。

ちなみに「マーキュリー」は、メリッサと同様に神話から得ています。マーキュリーは天体の水星または水曜日を象徴していて「九州ロボット練習会の水曜会から誕生した」ことも元になっています。