プレイバック方式

先日RCB-3HVの覚書を書いていたら、プレイバック方式の産業用ロボットを思い出しました。
昔、生産技術の仕事をしていたとき工場にある数社の産業用ロボットのマニュアルを読んだことがあります。古いタイプはポーズ間をトレースするのを基本とし、ポーズに条件分岐パラメータをタグのように追加しておくと、それを昇順でトレース再生していくときに外部入力やループ回数などで条件分岐して疑似的にプログラム処理を実現する仕組みで、直感的ではあるけどあまり高度なことをするには無理があります。
そのため、近年はCやBASICライクに構造化プログラミングをつくれるプログラム方式が流行っていて、複雑な計算や多重の条件分岐をつくれるなど柔軟だけど少しだけ数学的、論理的な素養が求められます。そのため、2つの方式を合わせたハイブリッドなものもあったりします。
RCB-3HVは条件分岐の対応でプレイバック方式を一段進化させましたが、産業用ロボットの十年以上前の通過点ですから、小型二足歩行の分野はまだまだ技術開発の余地があると思います。ユーザのアイデアが形になることもあるでしょう、今後のさらなる機能向上を期待して近藤科学さんを応援したいと思います。
それまで待ちきれない高度な要求をするエキスパートは、自前でマイコンを開発するという選択に落ち着くでしょう。ASIMOのように外界のセンサとの組み合わせでリアルタイム演算を行いつつ動歩行するといった要求を、汎用的な機体とモーションプロセッサだけで実現することは困難でしょうから。